くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

経済

現金強盗はデフレがお好き?

古本屋で手に入れたR・ドーンブッシュ/S・フィッシャー『マクロ経済学(上)』(1981年)をパラパラ読んでいたら、「第7章 貨幣の需要」でこんな問題が。 日本じゃ聞いたことないけど、海外じゃ有名フレーズなのかしら? それは置いておいて新年最初の大喜利ネタと…

2013年を振り返って

2013年の経済関連の出来事を振り返るとき、一番大きな出来事はなんといっても3月21日の日本銀行執行部の新体制発足および4月4日の「質的・量的金融緩和」導入でしょう。正直言って1年前の今頃は、安倍首相がここまでやるとは思っていなかった。いままでの政…

今日のメモ(消費者物価指数や完全失業率など)

平成22年基準 消費者物価指数 全国 平成25年(2013年)11月分(総務省) 労働力調査(基本集計) 平成25年(2013年)11月分(厚生労働省) 一般職業紹介状況(平成25年11月分)(厚生労働省) 今日は消費者物価指数や完全失業率などの経済指標の公表日でした。結果…

湯本雅士著『デフレ下の金融・財政・為替政策』は序文からおもしろい

本の虫の帰りに岡山県立図書館に寄って湯本雅士著『デフレ下の金融・財政・為替政策』、岩田規久男、浜田宏一、原田泰編著『リフレが日本経済を復活させる』、『ジョーンズマクロ経済学2』を借りました。 さっそく評判の高い『デフレ下の金融・財政・為替政策』…

日本銀行のトップページに「2%の「物価安定の目標」と「量的・質的金融緩和」へのリンクが張られている(追記あり)

追記(2013/12/11 20:42) Web archiveで確認してみたら先週の4日までは張られていなかった模様。ということは、トップページにリンクが張られたのはつい最近みたいです。 追記終わり 日本銀行へアクセスしたらトップページに「2%の「物価安定の目標」と「量…

イワタ流景気動向指数グラフ更新(2013年10月分追加)

内閣府から2013年10月分の景気動向指数が公表されました。景気動向指数(内閣府)CIとDIは次の通り(()内は先月差(ポイント)) CI(速報値) DI(速報値) 先行指数 109.9(0.7) 77.8(-2.2) 一致指数 109.6(1.2) 75.0(-5.0) 遅行指数 113.1(-0.9) 75.0(15.0) イワタ…

かみ合ってないように見える

昨日Twitter某所であった実質賃金を巡るやりとりを眺めていたら、どうもかみ合ってない感じがしたのでここにメモ。 まずは実質賃金の定義をしましょう。実質賃金は名目賃金を物価指数(消費者物価指数やGDPデフレーターなど)で調整したものです。式で表すとこ…

やっぱり若者は首都圏に集中してるのね

人口ネタ。今回は20-34歳人口の都道府県別構成比(人口比)を計算してみました。まずは結果をいくつか。 東日本 西日本 東日本と西日本の比較 首都圏、東日本(首都圏を除く)、西日本の比較 注釈 データは平成22年国勢調査(総務省統計局)を使用。 東日本と西日…

興味があるがちと高い

日本評論社の新刊案内より。以前に感想を書いた『肥満の経済学』*1の著者が新しい本を出すらしいです。肥満と生活・健康・仕事の格差(日本評論社) 目次を転載 第1部 肥満化の原因とその実情 第1章 世界の肥満化現象 第2章 肥満をもたらすもの 第3章 子ど…

ここまで楽観視はできんなあ

日銀総裁、物価目標2%「内需中心の成長で達成」(日経新聞) 日銀の黒田東彦総裁は21日の金融政策決定会合後の記者会見で、「内需を中心とした経済成長が持続するもとで、消費者物価上昇率も次第に上昇し2%の物価安定目標を達成できる」との認識を示した。…

発言をチェック

10日前の話題ですが。 岩田日銀副総裁「学者のように話せない」 歯切れ悪いとの指摘に (日経新聞) 日銀の岩田規久男副総裁は7日午前の参院財政金融委員会に出席し、副総裁就任前と比べ歯切れが悪いと指摘され、「何でもかんでも学者のように話す訳にはいか…

ここ10年間の最低賃金と実質最低賃金の推移

メンジー・チン「所得格差是正のために出来ること」(経済学101) 興味深く読みました。エントリーの要点は、 仮に最低賃金を9ドルに引き上げても、実質で見れば1980年代の水準(なので高すぎる水準とは言えない) 低所得者の限界消費性向を他より高いと仮定する…

自分の立ち位置を確認できる本(湯本雅士著『金融政策入門』感想)

「大胆な金融緩和」を掲げる安倍首相が登場してほぼ1年。黒田総裁が4月に打ち出した「量的・質的金融緩和」から半年がたとうとしています。その影響か、日銀の金融政策について述べている本がたくさん出回るようになりました。そうした動きの中で、従来の日銀…

イワタ流景気動向指数グラフ更新(2013年9月分追加)

内閣府から2013年9月分の景気動向指数が公表されました。景気動向指数(内閣府)CIとDIは次の通り(()内は先月差(ポイント)) CI(速報値) DI(速報値) 先行指数 109.5(2.7) 77.8(47.8) 一致指数 108.2(0.6) 80.0(40.0) 遅行指数 115.1(0.7) 62.5(2.5) イワタ流…

ここ20年ばかりの名目&実質賃金のグラフ

Twitterで目にしたあるツイートをきっかけに20年ばかりの名目賃金と実質賃金の推移をグラフにしてみました*1。今回使用したのは国税庁の民間給与実態統計です。どうして厚生労働省の毎月勤労統計調査を使わないかというと、長期のデータが見つけられなかった…

日銀は潜在成長率を「0%台半ば」と推計しているみたい

今日、公表された「展望レポート」より。展望レポート 2013年10月(基本的見解)*pdfファイルです 本文1ページ目の注釈2に書いてある。 内閣府も潜在成長率の推計をしているはずだけど、直接公表はしてないみたい。2013年5月23日付の日経新聞の記事によると…

グラフを作成

先日紹介した「生活意識に関するアンケート調査」の中にある「1年前と比べて物価はどれくらい上がったか?」、「1年後の物価の見通し」、「5年後の物価の見通し」の推移をグラフにしてみました。この質問は2004年3月から始まったらしく、約10年間の家計の期…

日本の家計もガソリン価格の動向から物価を予測してるみたい

ジェームズ・ハミルトン「インフレ率はなぜフィリップス曲線よりも高い?」(経済学101) ジェームズ・ハミルトン先生の論説を読みました。要点をまとめると、 家計の予測(期待)インフレ率は専門家の予測や物価連動債によって求められる予測インフレ率ブレーク…

ちょっとドキリとしてしまった文章

いま、根井雅弘先生の『サムエルソン『経済学』の時代』を読んでいます。本書の内容を簡単に説明すると、ポール・A・サムエルソンの『経済学』を軸としながら20世紀のマクロ経済学の流れを描いた経済史本といえます(詳しい感想はまた後日)。 本書の中に、サム…

今日のメモ(景気動向指数改定値や日銀さくらレポートなど)

内閣府から2013年8月分の景気動向指数改定値が発表されました。平成25年8月分速報からの改訂状況(内閣府)*pdfファイルです CI(速報値) CI(改定値) 差(ポイント) 先行指数 106.5 106.8 0.3 一致指数 107.6 107.6 0.0 遅行指数 112.8 114.4 1.4 先行指数は若干…

ここ半年間のガソリン価格の推移

家計簿をまじめにつけ始めて半年ばかりたちました。ここでガソリン価格の推移を見てみましょう。ガソリン価格(レギュラー 1リットルあたりの価格)の推移 8月初旬をピークに緩やかな下落傾向が続いています。資源価格の上昇も一息ついた感じでしょうか? ちな…

この表はいいな

The Dangers of Default(ホワイトハウスのブログ) ホワイトハウスのブログで共和党議員の発言と金融関係者の発言を対比させた表が掲載されています。なぜか右側(Financial Expert側)に故ロナルド・レーガン元大統領の発言が載っているのは嫌みだろうかw

消費者態度指数は3ヶ月ぶりの改善

内閣府から2013年9月分の消費者態度指数が公表されました。平成25年9月実施調査結果:消費動向調査(内閣府) 4つの指標すべてが先月比プラスとなっています。この調査から消費者のマインドは底割れせずに堅調に推移していることが分かります。このまま堅調に…

吉川洋先生のアベノミクス(というかリフレ政策)評

以前のエントリーで予告したように、経済セミナー(2013年10・11月号)の巻頭対談より、吉川洋先生がアベノミクス(というかリフレ政策)に言及した部分を取り上げます。要点を抜き出すと、 物価の動向は原油、素材、原材料などの影響を大きく受ける。いまのとこ…

イワタ流景気動向指数グラフ更新(2013年8月分追加)

内閣府から景気動向指数(2013年8月分)が公表されました。景気動向指数(内閣府)CIとDIは次の通り(()内は先月差(ポイント)) CI(速報値) DI(速報値) 先行指数 106.5(-1.4) 22.2(-47.8) 一致指数 107.6(-0.1) 50.0(-30.0) 遅行指数 112.8(0.0) 50.0(-10.0) イ…

経済セミナー(2013年10・11月号)を読みました

今号の特集は「日本国債のゆくえ」。つまり財政問題ですね。経済セミナーで財政問題の特集は定期的に組まれており、3年前にも特集が組まれています。 ↑こちらが3年前の経済セミナー 今回の巻頭対談は石弘光先生と吉川洋先生。おふたりの対談を読んでみると「…

祈っているばかりじゃいけないので

消費税増税が決まった以上ウダウダ言っても仕方がないので、私自身これからの金融政策や財政策に何を求めていくか考えてみる。金融政策 「黒田総裁が4月4日以降何もやってない」という意見があるけど私はそうは思わない。黒田総裁は目標(2年後2%)に向けて毎…

幸運を祈る

来年4月から消費税8% 首相会見(NHKニュース) 本日夕刻、安倍首相から来春の消費税増税(5→8%)が発表されました。会見を聞いたかぎりでは事前の報道の通りなので特にサプライズもなく、私としては「やっぱりな」という感想。 以前のエントリーで書いたけど…

所得が上がりづらくなっているんだよなあ……

首相 復興特別法人税撤廃の必要性強調(NHKニュース) 安倍総理大臣は訪問先のニューヨークで記者団に対し、法人税に上乗せしている「復興特別法人税」を1年前倒しして撤廃する方針について、「国民に均等に恩恵が行き渡るという観点で捉えることが大事だ」と…

2013年9月20 きさらぎ会における黒田総裁の講演の要約

本エントリーは2013年9月20にきさらぎ会で行われた黒田総裁の講演の要約です。原文は日銀で公開されています。デフレからの脱却と「量的・質的金融緩和」(日本銀行) 今回の講演のポイントは、物価版フィリップス曲線を用いて日本のデフレおよびその脱出方法…