くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

湯本雅士著『デフレ下の金融・財政・為替政策』は序文からおもしろい

 本の虫の帰りに岡山県立図書館に寄って湯本雅士著『デフレ下の金融・財政・為替政策』、岩田規久男浜田宏一、原田泰編著『リフレが日本経済を復活させる』、『ジョーンズマクロ経済学2』を借りました。

 さっそく評判の高い『デフレ下の金融・財政・為替政策』を読み始めたのですが、序文で笑ってしまった。私が思わず笑ってしまった箇所を引用。
 

(2) ただ、「それにしても、既知の事実や他人の意見の紹介だけでなく、筆者がどのように考えているかをもう少し強く打ち出すべきではないか」というのが、前著に対して寄せられた批判であった。筆者の言い分としては、「そのことは、文章のトーンから、行間のニュアンスから、あるいは各節の注に込められた含意から読み取ってほしい」というところであるが、そうした批判はある程度的を射ているといわざるを得ない。したがって、本書では、前著に比べてより踏み込んだ主張あるいは表現を行っている部分が増えている(そうした色彩はとりわけ、第5章*1において顕著である)。それに対しては当然反論が予想されるが、そこから始まる議論の積み重ねによって、問題点が、そしてそれへの対応策がより鮮明に浮き彫りにされることを期待している。


わざわざこういうことを書かんでいい気がするけど、それだけ誠実な方なのでしょう。湯本先生の誠実さに感動した! 最新刊の『金融政策入門』*2はかなりはっきりとしたスタンスで書かれていたけど、それもこういった反省点の積み重ねでできたんだろうな*3

*1:原文ではローマ数字

*2:私が書いた感想はこちら

*3:ハッキリ書いてくれるので素人には分かりやすかった。もちろん賛成するかどうかは別問題だけどね(笑)