くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

祈っているばかりじゃいけないので

 消費税増税が決まった以上ウダウダ言っても仕方がないので、私自身これからの金融政策や財政策に何を求めていくか考えてみる。

金融政策
 「黒田総裁が4月4日以降何もやってない」という意見があるけど私はそうは思わない。黒田総裁は目標(2年後2%)に向けて毎月8兆円ぐらい国債を買っている(マネーを供給している)。これを何もやってないというのはちょっと……。もし、日銀に文句を言うとすれば、1,見通し(予想シナリオ)の甘さ、2,目標および、目標とする水準の低さでしょう。

 もう少し詳しく述べると、1,に関して、日本銀行は毎年4月と10月に「展望レポート」を出しています。最新版は今月の31日出るけど、まだ公開されていないので今年の4月に公表された見通しを貼ります。

 日本銀行も消費税増税によって一時的な落ち込みがあるものの底割れせず、その後は堅調に推移するという見通しを示してます。見通しの甘さについて文句は言えるかもしれない。

 2,に関して、黒田総裁は目標を設定してそれに応じた金融政策を行っている。もし、この金融政策を批判するとすれば、目標としている指標(消費者物価指数(コアCPI)じゃなくて、名目GDP成長率を採用せよ!))もしくは目標の低さ(2%じゃ低すぎるので4%)があげられると思います。

 ただし、いまのところ日銀が4月に示した見通しどおりに推移してるので、日銀が見通しや目標を修正する可能性はほぼないでしょう。目標を半年ぐらいでコロコロ変えるのも市場に説明がつかないでしょうし。だけど「来春の消費税増税による負のショックに対応するため」目標値を4%に設定してそれに応じた金融政策を行うのはありだと思う。

 というわけで、私は日本銀行に対して「目標を2%から4%に引き上げて、それに応じた金融政策を行う*1」もしくは「採用指標を名目GDPに変更せよ」を訴えたいと思います。市場に説明するときの大義名分は「来春の消費税増税による負のショックに対応するため」で問題ないでしょう。ただし、何度も繰り返すけど、いまのところ日本銀行は消費税増税を予定どおりやっても日本経済は堅調に推移するという見通しを示していますので、何はともあれこの見通しを批判する必要があると思います。

 「(消費税増税を受けて)日銀は追加緩和せよ」という声もありますが、黒田総裁は以前から「見通しを大幅に下振れする可能性があれば追加緩和を行う」といっています。そして、いまのところ日銀の見通し(予想シナリオ)どおり進んでいる。日銀が今の見通しを修正しないかぎりは追加緩和はないでしょうね。

財政政策
 一番いいのは増税しないことだけど決まったので仕方がない。政府は景気対策として5兆円を想定しているらしいけど、もっと増えないものかしら?どーんとこの2倍ぐらい。消費税増税による負担が8兆円らしいので、さすがにそれを超える景気対策は無理か……

 今後、臨時国会などで景気対策補正予算案について議論が行われるだろうから、野党に頑張ってもらうしかない。安倍首相(自民党)は法人減税などには熱心だが、政府による直接再分配はあまり熱心ではないので、そのあたりを争点にして少しでも再分配強化に繋がれば……。ただし野党のほとんどが昔から「財政赤字許すまじ」という態度なので、補正予算景気対策費の総額を増やす方向には向かわないでしょうね。せいぜい「パイの切り直し」ぐらい?これでもやらないよりはマシだと思う。

 というわけで、財政政策に関しては「もっと財政出動をする」、「政府による直接再分配強化」を訴えていきたいと思います。

*1:マッカラムルールだとどれくらいになるんだろう?