くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

所得が上がりづらくなっているんだよなあ……

首相 復興特別法人税撤廃の必要性強調(NHKニュース)

安倍総理大臣は訪問先のニューヨークで記者団に対し、法人税に上乗せしている「復興特別法人税」を1年前倒しして撤廃する方針について、「国民に均等に恩恵が行き渡るという観点で捉えることが大事だ」と述べ、経済成長の好循環につなげるため撤廃が必要だと強調しました。

政府は消費税率の引き上げに備えた新たな経済対策で東日本大震災の復興財源を確保するため、法人税に来年度末まで上乗せしている「復興特別法人税」を1年前倒しして撤廃する方針で、来週30日の取りまとめを目指し、与党内で調整が進められています。
これについて、安倍総理大臣は「企業の活力を維持することによって、必ず賃金に反映され、消費の増大につながり、また企業の収益が増え、賃金に回っていく。こういう循環に入ることにより、広く国民に景気回復の恩恵が行き渡るようにすべきだ。その観点から法人税をどう考えるか考えるべきで、法人対個人ということでなく、国民全体の収入を上げるためにはどうしたらいいかを考える必要がある」と述べ、経済成長の好循環につなげるため撤廃が必要だと強調しました。
また、安倍総理大臣は集団的自衛権の行使を巡る政府の有識者懇談会の結論について「時期をいつまでということを設定するつもりはない。有識者懇談会で、まだ議論が始まったばかりであり、その議論の進展にあわせて国民的な議論をしていく必要がある」と述べ、丁寧に検討を進める考えを示しました。

 
 そういえば、安倍首相は小泉内閣時代に官房長官をやっていたな。ということは、安倍首相は官房長官時代に小泉時代の「成功」を目の前で見ていたはず。安倍首相の念頭にあるのはあの「成功体験」なんだろうな。「あれのどこが成功だ?」と思われるかもしれませんが、ここ20年の低迷の中ではあれでもマシだったのは事実。

 たしかに、企業の調子が良くならなければ給料も増えないし雇用も生まれない。この発言は的外れとも言えない。ただし、以前紹介したマンスリーレポートにも書かれていたが、非正規雇用の増大や企業の経営戦略の変化などで所得が伸びにくくなっているのもたしかだ。

 ここで可処分所得の概念を持ちだしてみましょう。可処分所得とは所得から所得税社会保険料などを引いた所得のことです。ようするに手取り収入のことですね。式で表すとこんな感じ、

 
 可処分所得=所得-(所得税+社会保険料)


 この式より、可処分所得を増やすにはふたつの方法があることがわかります。ひとつめは所得を増やす。ふたつめは所得税もしくは社会保険料を下げる。

 所得が上がりにくくなっている昨今、可処分所得を増やすために政府がやるべきことは所得税もしくは社会保険料の引き下げでしょう。15年ぐらい前には定率減税をやっていたんだから、それを期間限定で復活させるのもいい。過去の事例があるからそんなに混乱もないでしょう。控除枠の拡大や給付付き税額控除の導入もいいかもしれない。

 まあ、首相(というか自民党)はあまり再分配に熱心じゃないからあまり期待してないけどね。野党に期待……してもいいんだろうか?