くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

ミステリの感想を書き始めるための前口上

追記(2010/09/29)
 誤字脱字の修正を行いました。

 

 ここでこれからミステリの感想を書こうと思い立ったので、まずはじめに自分がどういう作品が好きなのかということを書いておきたいと思います。まぁ、要はウザイ自分語りです(笑)。でも、こういう自分の好みを表明しておくのは必要だと思うんですけどね。

 私がミステリにはまった作品は、はっきり覚えています。それはアガサ・クリスティーの「火曜クラブ」。この作品は、マープルおばさんが客の話す未解決事件を聞いたその場で次々と解いていく話なんだけど、この本を読んだ当時小学生の私は、「このおばあさんは、なんて頭がいいんだ!」と感動したことを覚えています。だからまず安楽椅子探偵ものが大好き。小学生の時から(今でも)安楽椅子探偵にものすごく憧れています。クルーグマン心理歴史学者に憧れたそうだけど*1、私は安楽椅子探偵でした。

 なんでこんなに安楽椅子探偵に憧れたんだろうと思い返してみると、やっぱり病気があるのかなと思っています。小学生の頃はよく喘息で学校を休んでいたので*2、動かなくてもできる職業(?)として、「安楽椅子探偵」は非常に魅力的に映ったのでしょう。

 その後は怪奇譚やファンタジー作品にはまりました。怖い話読みたさに「今昔物語集」や「日本霊異記」まで手を出していたり。それから高校の時に「ななつのこ」(加納朋子著)を読んでミステリに再はまり中といった感じでしょうか。

 自分の読書遍歴を振り返ってみると、好きなミステリ作品の傾向は、安楽椅子探偵ものと、怪奇性のある作品といえるでしょう*3。……こう書くと、あのミステリ作家が思い浮かんでしまうのは仕方がないか(笑)。

 あと、将棋の升田幸三元名人の言葉なのですが、「詰将棋の妙味はハッとする鮮やかさに尽きる」という言葉があります。私は、この言葉はミステリの評価にも当てはまると思うのです。というか、私のミステリに対する評価軸の中には、「ハッとする鮮やかさ」が確実にある。何気ない事件風景が、探偵の登場でまったく別の風景(世界)が現れる……こういう作品も大好き。

 あーあ、短く書こうと思ったけど結局長くなっちゃった。最後に私の好きな作品を思いつくままに並べてみました*4。ここまで読んでいただけたならこのリストを眺めただけで、「やっぱりな」という感想を持つはずです(笑)。
 
国内作品
押絵と旅する男」、「目羅博士」、「心理試験」他、江戸川乱歩作品
猫町萩原朔太郎
新宿少年探偵団」他、太田忠作品
ななつのこ」他、加納朋子作品
「六年目のクラス会」那須正幹
文学少女シリーズ野村美月
「死体を買う男」他、歌野晶午作品

海外作品
「火曜クラブ」アガサ・クリスティー
レントン館盗難事件」モリスン
「銀の仮面」(ウォルポール)
「放心家組合」(ロバート・バー)
「オッターモール氏の手」(バーク)
「ブラウン神父シリーズ」(チェスタートン)
「帽子収集狂事件」他、ディクスン・カー(カーター・ディクスン)作品
「僧正殺人事件」(S・Sヴァンダイン)
「隅の老人の事件簿」(オルツィ)
「十三号独房問題」(フットレル)

*1:僕のキャリア上の出来事

*2:重度の喘息は動けないのです

*3:現実と幻想の狭間にある作品が好きと言い換えることができるかもしれません

*4:一部ミステリと呼べない作品もあるけど