くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

この20年間で何度も見た光景

日銀 金融政策の現状維持決定(NHKニュース)

日銀は、15日まで開いた金融政策決定会合で、ヨーロッパの信用不安への懸念はあるものの国内の景気は緩やかに持ち直しつつあるとして、今の金融政策を現状のまま維持することを決めました。

日銀は、14日と15日の2日間、金融政策決定会合を開き、国内外の景気の現状について議論しました。
この中で、ヨーロッパ情勢については巨額の不良債権を抱えるスペインの銀行の経営問題が浮上しているほかギリシャの再選挙の結果しだいで、信用不安が拡大するおそれもあり「世界経済は不確実性が引き続き大きい」と懸念を示しました。
一方で、国内経済は、東日本大震災の復興需要などから、全体として「緩やかに持ち直しつつある」として景気判断を上向きに修正しました。
さらに景気の先行きについても、ヨーロッパ情勢を見極める必要があるとしながらも現時点では緩やかに回復するという見方を示しました。
このため日銀は、国債などを買い取って金融市場に大量の資金を供給する今の金融緩和策の効果を見極める必要があるとして金融政策を現状のまま維持することを全員一致で決めました。

 たしかに、直近のGDP推計はかなり高かったし、その他の経済指標も昨年に比べれば持ち直している。日銀の判断はNHKの記事に書いてあるとおり「欧州の経済の先行きが不安材料だが、日本にかぎってみれば底堅く成長している」というものなんだろう。

 でも、こういう楽観論はこの20年間で何度も見た光景だ。1997年、2000年、2006年、日銀は景気の過熱を警戒して金融を引き締めた。その結果どうなったかは歴史(というほど昔じゃないけど)を見れば明らかだ。もちろんその後の落ち込みは日銀の金融引き締めだけじゃないけど*1、日銀の拙速な引き締めがその後の傷を大きくしたのはたしかだろう。

 折しも、国会では増税法案が審議入りしており、可決する公算が高い。もし消費税増税法案が通れば1997年の二の舞になるだろう。白川総裁は第二の速水総裁になるつもりなのだろうか。

*1:1997年は消費税増税&アジア金融危機、2000年はITバブル崩壊、2006年以降はリーマンショックという負のショックが起こった