くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

一晩で700万人の子どもが消えた世にも奇妙なお話

最近、高齢者の所在が不明になっている事件が話題になっています。このニュースを見て思い出したのが、スティーヴン・レーヴィットの「ヤバイ経済学」に載っていた話。

 気配らしきものさえほとんど残さないインチキもあるし、山ほど証拠が残るインチキもある。1987年の春、とある真夜中に起きたことを思い出して欲しい。アメリカで700万人の子どもが突然消えた。史上最悪の誘拐事件?ぜんぜん違う。4月15日の晩に税務署がルールを変えたのだ。それまで、税金を申告する際には扶養している子どもを列挙すればよかったのだが、この日からはそれぞれの子の社会保障番号を書かなければならなくなった。
 突如として、子どもが700万人も−前の年の書類1040号で所得控除をうけるためにだけ存在した幻の子どもたちだ−消えた。アメリカにいた扶養対象の子どものだいたい10人にひとりだ。

 さすがアメリカはスケールが違うな(笑)。まじめな話、今の社会保障の制度にインチキを働きたいインセンティブが存在するんだろうな。だから、個人を叩いたって解決しないよね。うまいこと人にインチキしたいというインセンティブを抱かせないような仕組み作らないと。