016 デフレ脱却の意義と課題(内閣府)*pdfファイルです
毎月、関心の高いトピックスをわかりやすく説明してくれる内閣府のマンスリー・トピックス。今回はデフレ脱却が話題の中心になっています。リフレに少しでも関心のある人にとっては当たり前の内容ですが、図版が豊富(で文字数少なめ)なのでいろいろな用途に使えそう。
さて、今月号のマンスリー・トピックスの内容ですが、まず始めにデフレの害を解説し、その後にデフレ脱却についての疑問――「物価だけ上がって賃金が上がらないんじゃないの?」、「物価が上昇しても雇用が増えないんじゃないの?」、「ハイパーインフレになる!」などなど――について解説(反論ともいう)しています。
内容を見てみると、まず継続的なデフレの結果、「実質金利の高止まりによる企業の投資抑制」、「過度の円高による空洞化」、「コストカット圧力の増大」、「コストカットをはかるため、日本では賃金の切り下げを雇用形態の変化によって達成*1」、「その結果、若い世代の非正規雇用比率が上昇してしまった*2」などと解説しています。いくつかの図版を引用。
↓年間10%の円高が3年続いた場合の試算。「円高にもメリットがある」という言説が間違いだと言うことが一目で分かります*3。
↓デフレが続いた結果、雇用がボロボロ
そして、マンスリー・トピックスはデフレ脱却の必要性を述べています。しかし、「物価が上昇するだけじゃないの?」という不安をもつ人が多いのも事実。マンスリートピックスの後半は、そういった疑問にも答えています。曰く、「物価が上昇したら名目賃金も上昇する場合が多い」、「物価が上昇したら雇用が増える場合も多い」、「ハイパーインフレなんて、まず起きねーよ」、「円安になっても輸入物価の上昇による輸入インフレの影響はたいしてない」、「資産バブルを抑制する方法は金融政策だけじゃない」などなど。いくつかの図を引用
というわけで、リフレに関心がある人にとっては当たり前なことだと思いますが、図版や解説がコンパクトにまとまっていて、デフレ脱却の必要性を説くために役に立つ資料だと思います。