くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

中国の報復措置は成功するのだろうか

公開前追記
 このエントリーを公開する前に、中国が禁輸措置の報道を否定したようです。なので以下のエントリーを公開する意味がなくなってしまったのですが、もったいないので(笑)公開します。
中国、レアアースの対日輸出を禁止との報道を否定(ブルームバーグ)

中国政府は、レアアース(希土類)の対日輸出を禁止したとする報道を否定した。レアアースは、ハイテク製品に幅広く使われ、日本が最大の購入国。  米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は、尖閣諸島付近で起きた漁船衝突事件をめぐる日中両国の対立を受け、中国政府がレアアースの日本への輸出を禁止したと報じていた。

追記終了



日本向けレアアースを全面禁輸=中国、尖閣沖衝突問題で―米紙(Yahoo!ニュース)

 尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で中国側が報復措置として、レアアースの禁輸措置をとったと報じられました。さて、中国がとった禁輸措置は成功するのでしょうか?ちなみに、こういった貿易政策*1(農産物や貴重な鉱物資源を外交のカードとして利用する)は、冷戦時代にさんざん議論されたらしい。どういった結論が出たのか知らないので、ここでは経済素人の私がぱっと思いついたことを書いていきます。

短期的な影響
 貿易というのは相互利益をもたらすものなので、禁輸措置は日本も困るけど、中国も損をしている(本来日本の輸出で得るはずだった利益が手に入らないから)。おそらく中国は多少の損はかぶる覚悟はできているだろうけど、いつまで耐えられるかな?長引けば長引くほど不利になるのは中国の方じゃないかなぁ。

長期的な影響
 今回の禁輸措置は日本だけなので、回避方法として、レアアースを含む製品は日本以外の国で作ってそれを輸入するという手が考えられます(おそらく各企業は言われなくてもこういう行動を取るでしょう)。ありがたいことに禁輸措置以外の報復措置として、「円高誘導をしろ。」という論調もあるらしいので*2、ますますこの回避方法が有力になる(笑)。

 もちろん、この回避方法は国内製造業の空洞化を招き、大量の失業者を生むことが予想されます。ただ失業者の問題は国内の(景気)問題なので、中国の報復措置はほとんど関係ないです。つまり、財政政策と金融緩和政策をしっかりやれば失業の問題もある程度緩和されるのではないでしょうか。

 ただなぁ、日本は過去20年間景気対策に失敗したという実績があるからなぁ。この点を中国に見透かされているのかもしれない。恐れるべきは中国よりも国内かもしれない*3

結論
 結論としては、長い目で見ればほとんど影響がないと思っています。なので政府に対しては中国の脅しに屈することなく、国内の景気対策に全力で取り組むことを期待します。

*1:名称を忘れてしまった。手元の経済辞典で調べてみると「戦略的貿易政策」という項目がそれっぽいけど、これででいいのかな?

*2:尖閣問題で「対日報復、為替介入で円高誘導」=中国専門家(サーチナニュース)

*3:具体的な組織を挙げるとすればここだろうな(笑)