くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

貿易は雇用を奪うのか

 前のエントリーの引用部分で、もうひとつ気になった部分があるのでもういっちょ。それはこの部分。

ドイツでも太陽光パネルは半分以上が中国産で、国内雇用に何にも役にたってないと批判がたっています。

 
 これは、社会通念と言っていいほど一般的な見方でしょう。たしかに、日本の国内で太陽光パネルを生産しているところは苦境に立たされるかもしれない。でも、太陽光パネルを売ったり、設置したりするのも日本国内の企業だ。こうした企業は、国内より割安の中国、韓国の太陽光パネルを輸入することにより、業績を伸ばし雇用を増やすかもしれない。

 前のエントリーで小麦の輸入について書いたけど、これだって同じ。日本国内の小麦農家は、安い外国産小麦のせいで苦境に立たされているけど、安い輸入小麦によって、パン屋、うどん屋、ラーメン屋、お菓子屋などは、製品を作ってサービスを提供できる。安い輸入小麦によって、私たちはお手軽にそれらのサービスを享受できているし、そこで雇用も生まれている。こういう企業を外国企業という人はいないでしょう。

 貿易によって、ある分野は苦境に立つかもしれない。でも、別の分野では新たな雇用が生まれる可能性もある。貿易が雇用を奪うとは、一概に言えないでしょう。