くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

クルーグマンミクロ経済学 第22章「情報・情報財・ネットワーク外部性」要約 第2節

本エントリーはクルーグマンミクロ経済学 第22章「情報・情報財・ネットワーク外部性」の要約です。
第2節 ネットワーク外部性
ネットワーク外部性とは、個人にとってのある財の価値が、同じ財を持っているか使っている人が他に多数いるときに大きくなること。

2.1 ネットワーク外部性の類型
ネットワーク外部性の典型的な例が電話やファクシミリの通信手段。

通信手段のような直接的なリンクが存在しなくても、他の人々がある財を消費することで、その消費によって自分の限界便益が増加するならばネットワーク効果が生まれる可能性がある(間接的なネットワーク外部性)。

間接的なネットワーク外部性の例としては、OSがあげられる。

2.2ポジティブ・フィードバック
ある財にネットワーク外部性が働いている場合、ポジティブ・フィードバックが起こることになる。

ポジティブ・フィードバックが起こることにより、情報産業では「クリティカル・マス」と「ティッピング(なだれ現象)」という「筋書きのあるドラマ」が繰り返される。

クリティカル・マスとは、ある一定気の規模まではじょじょにしか消費が増えないが、ある規模(クリティカル・マス)を超えると、爆発的に消費が伸びる現象のこと。

ティッピング(なだれ現象)とは、2つの競合する財や技術のうち一方が少しだけ「先発者」優位に恵まれたためにそれが自己増幅して、他方を市場か追い出してしまう現象のこと。

2.3 ネットワーク外部性の下での競争
ネットワーク外部性は企業の行動を変える。一般的に企業は自社製品にネットワーク外部性が働くと信じている場合、短期的な利潤を犠牲にしても(時にはタダでばらまいて)、販売ネットワークの構築に力を注ぐ(クリティカル・マスやティッピング(なだれ現象)が起こることを期待するから)。