くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

クルーグマンミクロ経済学 第22章「情報・情報財・ネットワーク外部性」要約 第3節

本エントリーはクルーグマンミクロ経済学 第22章「情報・情報財・ネットワーク外部性」の要約です。

第3節 情報財に対する政策
情報財が増えてきているが、それによって新しい政策が必要だと考えている経済学者は少ない。しかし、政策の力点は移ってきている。ここでは独占禁止政策と標準を見ていく。
3.1 独占禁止政策
情報財の重要性が高まるにつれて、独占禁止政策は難しい問題に直面している。
独占禁止法は「意図的な」独占を禁止している政策で、意図しない独占は禁止していない。そして情報財は独占が自然に生じやすい財である。

では、問題がないかというと全然そういうことはなくて、情報財を生産する企業は「クリティカル・マス」や「ティッピング(なだれ現象)」を狙って違法すれすれな「攻撃的」戦略をとることがある。

この違法と適法の境界線はだんだん揺らいできている。

3.2 標準
標準とは、競合財が単一のネットワークとして働くようにする一連のルールのこと。

標準の典型的な例として、鉄道や携帯電話の規格があげられる。

標準の必要性は経済への政府介入を正当化する。

標準で重要なことは、何らかの標準を作ることがしばしばどの標準が選ばれることよりも重要になること。

標準は政府によって強制されるだけでなく、産業界がみずから設定する場合もある。しかし、市場の働きにより成立した標準は適切でない場合もある。

これはQWERTY問題として知られる。QWERTY問題とは他の良い標準があるのに、劣った標準に固定されている問題のことである。

原則論として、政府の介入はある産業をよりすぐれた標準に移行させるのに役立つといえる。