くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

各都道府県別の男女比と有業者に占める女性の割合を調べる

高知は女性活躍の先進県か 有業者、管理職比率が全国一(高知新聞)

高知県は女性の働き方が最も先進的―。そんな実態が国の統計から浮かび上がっている。有業者や管理職に占める女性の割合は都道府県別の比較でナンバーワン、子育ての時期に仕事を離れる女性が多いことを示す「M字カーブ」も高知県ではほぼ無くなっている。「高知は女性が元気」というイメージを裏付けるデータ群と言えるが、一方では「子育て期も働かざるを得ない」との指摘もある。手放しで喜べない日本一、あなたはどうみる?


 昨日の山陽新聞に「有業者や管理職に占める女性の割合、高知県がトップ」という記事が載っていました*1

 本ブログではたびたび、若年者(20-34歳)の男女比を取り上げています*2。今回は男女比と有業者に占める女性の割合の関係を調べてみました。

データを集める
 まずは記事の出典元を調べてみましょう。有業者に占める女性の割合や管理職に占める女性の割合は以下のサイトで公開されているものだと思われます。

男女共同参画会議 基本問題・影響調査専門調査会(内閣府男女共同参画局)

(2)都道府県データ(*pdfファイルです)
↑ここの図表17に都道府県別の有業者に占める女性の割合、管理職に占める女性の割合の一覧が載っています

 
 次に各都道府県別の男女比ですが、今回は有業者に占める女性の割合との関係をみるので、若年者(20-34歳)の男女比を使うのは適当ではないでしょう。今回は各都道府県別の生産可能人口(15-64歳人口)の男女比を用いました。生産可能人口(15-64歳人口)は次のサイトで入手しました。

人口推計(平成25年10月1日現在) ‐全国:年齢(各歳),男女別人口 ・ 都道府県:年齢(5歳階級),男女別人口‐(総務省統計局)
第3表 都道府県,年齢(3区分),男女別人口―総人口(平成25年10月1日現在)(*エクセルファイルです)


結果

  • 西日本を赤、東日本を青で示しています。なお東日本と西日本の区分けはNTT東日本と西日本の区分け基準を用いています。
  • 男女比は男性の数/女性の数で求めていますので、このグラフだと右へ行けば行くほど相対的に男性の数が多いことを表しています。


 決定係数は0.39でした。うーむ、ハッキリと関係があるとは言えないか。とはいえ、男女比が1を下回っている(=相対的に女性の数が多い)都道府県の多くは有業者に占める女性の割合が高い。特に九州や四国地方のほとんどは左上に属していることがこのグラフから分かります。高知新聞が指摘するようにこの状況は手放しでは喜べない面もあるだろうな(九州や四国地方のほとんどは相対的に男性が少ないので、女性を労働力として活用せざるを得ない面が強いと考えられます)。

 このグラフを見て気づいたんだけど、関西地方(大阪府京都府兵庫県奈良県和歌山県)は男女比のわりに、有業者に占める女性の割合が少ない。これは文化的な要因なのだろうか?どうなんだろう?

*1:ネットでは公開されていないみたいなので、6月21日付の高知新聞の記事を引用しています

*2:このエントリーこのエントリーなど