はじめに
本エントリーはシャーロック・ホームズの『白銀号事件』のネタバレを書いています。未読の人はご注意ください。
さて、昨日のエントリーの余談部分で、「冒頭にシャーロック・ホームズの『白銀号事件』の一節を引用した執筆者は洒落っ気あるねえ」と書きましたが、『白銀号事件』の話を思い出してみると、この話は中央銀行への教訓を含んでいるように思い始めたので書いてみます。
『白銀号事件』のあらすじ
まずは『白銀号事件』のあらすじから。これはどういう話かというと……
ある晩、一番人気の競走馬(白銀号)とその管理をしている調教師が失踪した。翌日、厩舎から少し離れたところで調教師の死体が見つかる。すぐに容疑者の男が捕まるのだけど、シャーロック・ホームズは事件当日の晩に「番犬が一度も吠えなかった」ことを奇妙に思い、真相を見抜く。
で、その真相というのが……
なんと犯人は調教師だった!(だから番犬は吠えなかった) 実は調教師には金のかかる愛人がいて、金を工面するために、わざと一番人気の「白銀号」に傷をつけ、レースをコントロールしようとしたのだった。
しかし、その細工をしようとしたときに「白銀号」が暴れて蹴り殺されてしまった。つまりこの事件は殺人事件ではなく(自業自得な)事故だったのだ*1。
さて、この話の登場人物を次のように置き換えます。
- 競走馬=インフレ
- 調教師=中央銀行
- 金のかかる愛人=政府
そして、このことを頭に入れてもう一度話を読んでみると……
調教師(中央銀行)が丁寧に管理しているときは競走馬(インフレ)も安定し、安定的な強さ(経済成長)を発揮する。しかし、金のかかる愛人(政府)の金を工面するために、無茶な細工をやってしまうと、競走馬はいきなり暴れて蹴り殺されるかもしれない(インフレが急騰して手のつけられないことになるかも)。
こう読み解けるではありませんか!これを書いたIMFの人はここまで考えて、冒頭とタイトルに『白銀号事件』を引用したのか。うーん、さすがだ。
えっ!?こじつけだろうって?たしかに深読みしすぎなのかも。IMFの人、答えを教えてくれw
*1:ちなみに「白銀号は」近くの厩舎にかくまわれていた。