Twittterで「面白い」と、つぶやいていた方がいたので買ってみました。
本書は、昭和3年(1928年)から昭和39年(1964年)までの、新聞*1に載った求人広告を載せた本です。まず一読して驚くのが求人広告の多さ。下の画像は高度経済成長まっただ中の1964年の求人広告なのですが、
びっしり!!!文字通り、選ばなければ仕事なんていくらでもある状態。そりゃあ、今の高齢者たちが「若者の就職難は甘え」というはずだわ*2。自分が就職した当時はこんなに仕事があるんだからねぇ……
都市部の新聞は分かりませんが、地方新聞(山陽新聞)の求人欄は悲惨の一言。だいたい4つぐらいかな?しかも求人内容はタクシー運転手がほとんど。まあ、今はネット求人もあるし折り込み求人チラシもある。新聞の求人欄で景気を予測するのは古いのかもしれない。でもなぁ。
あと、1929年の大恐慌時に求人が減っているのは当然として、そこから数年後には求人が回復しているのが興味深い。政府のマクロ経済政策によっていかに雇用が生まれるかが実感できます*3。
「経済成長って何で必要なんだろう」という本の中で、岡田靖氏が「高度経済成長期のインパクトはすごかった」と、語っている箇所があるんだけど、そのインパクトの一端が本書で感じ取れると思います。
本当にびっしり書いてあるだけでなく、印字が不鮮明な箇所があったりで、そのままではとても読みにくい本ですが(ルーペ必須)、経済成長がいかに雇用を生むか知るには格好の本ではないでしょうか。合間合間に時代を感じさせる職業がピックアップされていたり、当時の世相が書かれていたりと、当時の雰囲気を知るにもいい本だと思います。
- 作者: 求人欄研究会
- 出版社/メーカー: ティー・オーエンタテインメント
- 発売日: 2011/02/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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