くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

スポーツ世界の分析を就職に当てはめるのは問題あるかもしれないけど

民間企業「厳選採用してるはずなのに、クソみたいな学生しか来ない。なぜだ」(暇人速報)

 上記のまとめブログを読んで、クーリエ・ジャポン10月号に載っているレーヴィットの「もっとヤバイ経済学」*1を思い出した。10月号は、行動経済学者とトビアス・J・モスコヴィッツとスポーツジャーナリストのL・ジョン・ワートヘイムを招いてスポーツに関する疑問をぶつけているんだけど、その中に次のような質問がある。

NFLのドラフトで、どうしてプロ入り後に鳴かず飛ばずになるような選手が、上位指名されるの?

この質問に対する答えは次の通り。

 ドラフト上位の全員がプロの世界でも活躍できるわけではありません。(中略)確かなのは、いずれの場合もチームは膨大な金を払うということ。我々の調査結果によると、1巡目の指名権があるなら、2巡目の以降の指名権や他チームの選手とトレードした方が有益です。1巡目の上位指名選手は、2巡目の選手3〜4人分の契約金が必要。だったら、1巡目の選手1人より2巡目レベルの選手3〜4人を獲得した方がいい。前者がオールスターに選ばれる選手になる確率よりも、後者の1人がそうなる確率の方が高いのです。
 また1巡目の上位指名選手には多額の金を注ぎ込んでいるので、多少成績が悪くても簡単に放出できない。そのことが事態をますます悪化させます。一方会指名選手は成績が悪ければいつでも放出できるのです。

 ようするに、将来どうなるかは誰にも分からんのだから、大金はたいて(そのとき優秀だと判断した)選手をひとり雇うよりも、少しレベルを落として安い選手をたくさん雇った方がいいと。

 これを企業の採用活動に適用するなら、多額の費用をかけて厳選採用するよりも、とりあえずたくさん雇って優秀な成績を出す人物を出世させた方がいいということになる。もちろんこれはその企業にたくさんの人を雇う余裕がなければならない&いったん正社員にするとスポーツ選手と違って解雇が難しいというのがあるので、単純に当てはめることができないけど。

 実際どうなんだろう?

*1:Freakonomicsブログの翻訳記事