くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

「責任なしの自由」が欲しいんだろうな

「航友会」荻野会長「民主の言論統制、許せない」 政権批判で防衛事務次官通達(Yahoo!ニュース)

北沢俊美防衛相らの指示で自衛隊行事での民間人による政権批判を封じる防衛事務次官通達が出された問題で、通達のきっかけとなる発言をした民間人や自衛隊OBで構成される民間団体「航友会」の荻野光男会長(88)が21日までに産経新聞のインタビューに応じた。

 荻野会長は通達を「民間人への言論統制で許せない」と批判。自民党政権時代にも首相の靖国神社参拝を求めるなど批判したが、「規制はなかった」と振り返り「民主党政権を批判したから通達を出したと思う」との認識を示した。

 民主党政権で国の防衛がないがしろにされている現状に、「警鐘を鳴らしたかった」と強調。旧陸軍パイロットという戦争経験者として、「今の政治に求められているのは『国の守り』であると伝えていかなければ」とも語った。

 一方、21日になり民主党内からも通達撤回を求める声が上がり始めた。ある民主党幹部は「ファシズムまがいの言論統制をした汚点として残すわけにはいかない」と述べた。自衛隊内でも「思想信条の自由を定めた憲法19条の精神に反する」(幹部)との批判がくすぶっており、防衛省は通達撤回の検討を余儀なくされそうだ。

 3日の入間基地での航空祭で、荻野会長は「菅(直人)政権をぶっつぶしましょう」と発言。防衛省は10日付の通達で、自衛隊施設内での行事について(1)政治的行為と誤解されることを行わないよう参加団体に要請(2)誤解を招く恐れがある場合は参加を控えさせる−などの対応策を指示した。

 いくら民間人でも、基地内で「現政権をぶっつぶしましょう」という発言は駄目でしょう。李下に冠を正さず、瓜田に靴を履かず。だって菅政権は国民が選んだ議員さんから国会で承認を受けているんですもの。それをいくら民間人とはいえ堂々と批判(否定)するのはなぁ。こういう発言をしたら普通は警戒される。「航空自衛隊は何を企んでいるんだ?」ってね。

 このニュースを見て思うのが、こういう人は「責任なしの自由」が欲しいのかなぁ。「国民が選んだ議員さんから承認を受けた内閣を自由に批判(否定)します。あ、もちろんクーデターなんてそんな物騒なことは考えていませんよ。私たちを無批判に信じて下さい^_^」 こりゃ虫のいい話だよな(苦笑)

 そういえば、自衛隊の予算は冷戦終了時から(景気の悪さもあいまって)自民党政権時代からどんどん縮小されているんだけど、それに対してこういう場所で堂々と批判したことがあるんだろうか?「自衛隊の予算縮小を強行する自民政権をぶっ潰せ!」という風にね。   

 もうひとつ。ハンス・ウルリッヒ・ルーデル*1が戦後、西ドイツ軍に招かれたとき、空気の読めない発言をしてルーデルを招いた軍人2人と国防大臣が辞任した件を思い出した*2。これも言論統制なのかねぇ。

*1:この方を知らない方がおられるかもしれないので一応ウィキペディアの項目を紹介します。こちら。まぁ規格外の化け物(誉め言葉)です。

*2:ルーデルスキャンダル