くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

チェスタートンの「見えない男」が思い浮かんだ

五輪開会式で、謎の女性がインド選手団に紛れて一緒に行進…歓声に手を振り笑顔でこたえる(痛いニュース)

 大胆な犯人だなあ。このニュースを見て、チェースタートン先生が書かれた「見えない男」というミステリを思い出しました。その話の中にこんな場面があります。

 4人の男が見張っていたアパートの中で住人が殺され外へ運び出された。犯行が行われたとき、見張っていた4人は「誰も怪しい人物を見かけなかった」と証言した。犯人はどうやってアパートの中に忍び込み犯行を行ったのか?

 
 この話を読んだ時には感動しました。このトリックを簡単説明すると「人々の認識のズレ」を巧みについたトリックなのです。

 今回の騒動も、この「認識のズレ」を巧みについた犯行です。視聴者は「選手のひとり」と認識して違和感を感じない。行進している選手側も「大会関係者」と認識して違和感を感じていない。犯人は見事この認識のズレを利用して60億人の前から「消えた」わけだ!*1大胆な犯人に乾杯!

 しかし、チェスタートン先生の「見えない男」は現実でも実現可能なんだな。さすがチェスタートン先生だ(笑)

*1:ミステリ作家の何人かは悔しい思いしていそう(笑)