くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

昨日のNHKふるさと発をみて

岡山(というか中国地方)では、金曜日の夜7時半から「ふるさと発」という番組が流れています*1。昨日の内容は「「船員を確保せよ 〜内航海運は生き残れるか〜」というタイトルで、船員不足に悩む国内海運業の現状を放送していました。

 内航海船員は、(連絡等すべて日本語で行うため)日本人しかなれず、また高度技能職のため育成に時間がかかる&そもそも船員志望の若者が少ないため、団塊世代の大量退職が始まった現在、業界全体が船員不足に陥っているそうです。

 さて、その番組の中でこの不況で船員を養成する学校への志望者が前年と比べて大幅に増えたということを言っていました。それを聞いた母が「あら、良かったじゃない」と安堵する姿を見て、「素直に喜んでいいものかなあ」と、何ともいえない気持ちになったのですが、sunafukin99さんのエントリーで紹介されていた文章を読んで何となくその理由が分かったような気がします。孫引きですみませんが引用。
たぶんそういうことなんだろうな(すなふきんの雑感日記)

なぜ三年後離職率が増加したかは、不況で職がみつかりにくいことが大きな要因。このとき若者は、失業するよりも自分の目線を下に落として、(その人からみて)従来では選択しなかったような厳しい待遇の職についた可能性が大きい。これはアカロフ&シラーによれば不況になると(期待)公平賃金が低下すると説明されている現象である。入社した後では、実際には厳しい待遇ゆえに、彼・彼女らが長続きしなかった可能性が大きい。

 公平賃金はあくまで彼らの内面に形成されたアニマル・スピリットであり、それが現実に適応するかどうかはわからない。つまりこういうことだ、自分では目線を下げて厳しい条件でも働く覚悟ができていると思っても、実際に働くうちにその覚悟は破たんしてしまう。これが三年後離職率が高くなる要因ともいえる。

その番組でも、不況による将来不安で船員養成学校に入校したのはいいが、想像以上の厳しさで挫折しつつある若者の姿を流していました。彼、無事船員になれたのかなあ。番組では触れていませんでしたが、途中で挫折する人も多いんだろうな。


追記
久々にトラックバックを送ってみたけど、見事に失敗。連投は迷惑だと思うので、後日もう一回試してみます。

追追記(2009/07/19)
無事送れました。

*1:公式サイトはこちら