今回の特集は、「経済学の誤解を、経済学で解く」。
巻頭対談は、ネットでおなじみの飯田泰之先生と、『お寺の経済学』等で有名な中島隆信先生です。経済学を軸にいろいろな話題について対談されています。
興味深かったのが、飲食業界の話。「飲食業界がここまで発展したのは、参入障壁が低く、規制が少ないから」、「昔(10年ぐらい前まで)の飲食業は個人店による行き当たりばったりの経営がほとんどだったので、ちょっと経営を学んだ人なら結構楽に飲食業界で勝てた(いまは無理だけど)」等々。
なるほど。これと似た業界としては、漫画や(昔の)ゲーム業界があげれるでしょうね。昔は、「ガキのもの(遊び)」として、大人は誰も見向きもしなかったおかげで自由にやれたわけで*1。その結果ここまで発展した。いまや政府が「これからはソフトコンテンツ産業だ!」として、推し進めている姿はなかなか趣深い(笑)。
あと笑ったのが、次の発言。
飯田 (前略)ぼくが競争の話で学生に言ってるのは、経済学者としては競争素晴らしいと言うけれども、みんなへのアドバイスとしては、競争のない業界に行ってくださいという(笑)。
まあ、そうだよね(笑)。
他にもいろいろな話題に触れており興味深い対談でした。
今月号からの新連載は、
- 中級マクロ経済学――現代マクロ理論・実証への接近Vol.1「マクロデータで見る日本経済の姿」(青木浩介+藤原一平)
- ケーズで学ぶビジネス・エコノミクスVol.1「FREEビジネスとビジネス・エコノミクス」(石川竜一郎)
- ファイナンスのための統計学入門Vol.1「部分がら全体を知るには」(高見澤秀幸)
です。
あとは、余暇の時代から自由時間の時代へVol4 「趣味の世界」編(1)囲碁 という連載で、自分が住んでいる町が紹介されていて驚いた。たしかに囲碁が盛んかなぁ。たしかに囲碁を打つところや大会はあっても将棋を指すところや大会はないもんね。ネット対戦があるとは言え将棋指しは苦労するわ(笑)
おわりに、女性経済学者を訪ねてというインタビューで、バブル時代の就活話が載っていたので紹介します。今回インタビューを受けているのは、敬愛大学経済学部教授 和田良子先生。先生は慶應義塾大学の大学院を修了されて一旦就職されたのですが、そのときの就職話。
和田 富士総合研究所という、みずほ銀行の前身の富士銀行のシンクタンクに勤めました
1989年、バブルまっさかりのころでした。2月になって就職課を訪ねたところ、大学から歩いて10分の所にあったその研究所を紹介されたのです。「できたばっかりで人をほしがっているからいってらっしゃい」、と。
その日はたまたまベージュの地味目なスーツだったので、そのまま面接に行って、「男子が取れないから誰でもいいからほしい」と1時間ほど談笑して採用になりました。そのとき、いずれは研究職にしてあげるけども、最初はお茶くみなどもする中間的な採用ですと言われたのですが、プライドにこだわってもいられず、就職しました。
バブル時代の就活ってすげーな。