くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

最近の政府や日銀関連のニュースを見て思い出した本

 いちいち記事のリンクを張らないけど本当に政府、日銀は動きませんね。動かないだけでなく、「日本経済は回復途上にある」と、楽観的な見通しを発表しているし。

 こういったニュースを見続けて思い出した本がある。それはNHK取材班がだした「シリーズ日本の敗因 日米開戦勝算なし」という本です。
 

太平洋戦争 日本の敗因1 日米開戦 勝算なし (角川文庫)

太平洋戦争 日本の敗因1 日米開戦 勝算なし (角川文庫)


 もとはNHKスペシャルとして放映された番組の書籍化らしい(NHKスペシャル自体は未見)。シリーズとして何巻か出ているけど本書は、楽観的な見通しで日米開戦を始めた当時の政府および軍部の姿が描かれています。

 例えば、資源管理の見通しの甘さ。資源地帯を抑えるのは熱心だったが、それを日本に無事に運ぶことには不熱心で、アメリカの潜水艦隊にどんどん輸送船を沈められた話*1や、相手の戦力を過小に見積もり、相手より戦力が少なくても戦闘を始めてしまう話。そして(当然のことながら)苦戦に陥り、慌てて戦力を追加投入する(この追加投入分も過小なんだけど)話など、読んでて考え込んでしまいます。

 さて、今の政府と日銀の姿を見てると、どうしてもダブって見えてしまう。昨日、今日のニュースを見ると追加経済対策を打ち出すようだけど、エコポイント制度の延長など、新しい経済対策は打ち出さないみたいね。来週の菅首相と白川総裁も全然期待できない*2

どうなるんだろうなぁ。暗い未来しか予測できないのが何とも……

戦線から遠退くと楽観主義が現実に取って代る。
そして最高意志決定の段階では、現実なるものはしばしば存在しない。
戦争に負けている時は特にそうだ
                                            ジェームスダニガン 「ニュースの勝利」より

*1:太平洋戦争時のシーレーン防衛に関しての本は、大井篤著「海上護衛戦」が名著

*2:どうせ「注意深く見守る」でしょ?