くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

日本は簡単に財政規律がゆるむ国なのだろうか?

昨日書いたエントリーにたくさんブクマがついて驚いています。それと同時に雑に書いてしまったなあとも。というわけで、もう少し丁寧に書いてみます。

アルゼンチンとの違い
 コメント欄に「アルゼンチンやロシア等の実際破綻した国家は無視?」と突っ込まれたので、まずはここから。ウィキペディアを見るとアルゼンチンの場合「1999年に起きたブラジルのレアル切り下げでペソが相対的に高くなり輸出競争力を喪失、国際収支は悪化した。結果的に通貨危機(通貨ペソの対米ドルペッグ制崩壊)により完全に暗転」という状況で、債務危機が起きたようですね。では、これが日本に当てはまるかというと、当てはまらないでしょう。まず日本は変動相場制だし、それに日本でも最近自国通貨高が起きていますが、最新の国際収支統計を見てみると、平成21年10月の経常収支(速報値)は1兆3,976億円の黒字を計上しています。

 もちろん海外投資家が不安に思って日本国債を買わなくなるかもしれません。ただ、財務省が出している財務管理レポート2009第1章第6節 保有者層の多様化(pdfファイルです)に載っているグラフをみると、日本国債保有者はほとんど国内(の金融機関)ですので、国債消化への影響は軽微だと考えられます。


一番の問題は、政府による野放図な国債増発だけど……
 財政赤字の話になると財政破綻という言葉が出てくるけど、財政破綻の定義ってよく分からんのよね。みんなバラバラのこと言ってるんだもん(泣)。これ、といった定義があれば良いんだけど。一応私が懸念しているのが、昨日のエントリーで書いた、国債乱発によるインフレの進行。シナリオは↓のような感じ

日本国債は自国通貨建て国債、そして日本銀行は無限に日本円を刷れる。日本国債をじゃんじゃん日銀に引き受けさせればいい(財源問題も一挙解決!)。そうすればインフレが起こって、さらに国債を刷ればハイパーインフレだって起こせる*1。めでたく日本のジンバブエ化完成。

 問題は、政府と日銀がそこまで野放図になれるのか?という点です。世論の事業仕分けに対する好意的な評価、マスコミによる政府の無駄を減らせという論調などを見る限り、そう簡単に政府と日銀が野放図になれるとは考えられません*2


 もちろん私も巨額な財政赤字は問題ないとは言いません。デフォルトはないと思うけど(自国通貨建て国債でどうやってデフォルトが起こるんだろう?)。ただ景気も持ち直してないのに、財政再建のために消費税増税を打ち出すのはマズいでしょう。財政再建目指すなら、まずは景気回復させて安定的な経済成長を達成して(これで税収はかなり持ち直すはず)、そこから増税議論を始めればいい。無理に財政再建目指して橋龍の二の舞にならなければいいけど。

*1:日銀の白川総裁はいくら金刷ってもインフレにならねーよと言ってるけどw

*2:「もっと政府支出を!」という亀井金融大臣の叩かれ具合を見てもそれは確信できます(笑)