くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

由らしむべし、知らしむべからず

Twitterでつぶやいたけど、こちらでも。

勝栄二郎次官は異例の在任3年目に突入 財務省も懸念する消費税増税“完勝”の結末(ダイヤモンド オンライン)

 なぜ、第2歩が踏み出せないのか、を問うと「税と社会保障の一体改革といえば、多くの人は社会保障を充実させるために税金を上げる、と思うだろう。しかし現実はそうならない。これからつらい時代が始まる。大勝ちした反動は必ず来る。財務省が前面に出て政治を引っ張ったのだから、反発や怨念が吹き出すことは十分考えられる」というのだ。解説してくれたのは40代の官僚である。きちんとした財政ビジョンを示さずに「このままでは破綻する」という浅薄なキャンペーンで突っ走ったことの咎めに、やがてぶち当たるのではないか、というのである。

 財務省OBの民主党議員はこういう。

「税と社会保障の一体改革というのは、増税しその上で社会保障を削るということです。無駄な社会保障にメスを入れない限り、財政再建はできない」

財務省内では常識です。しかしそれを言えば消費増税は通らない。世の中はやがて気付き、財務省に騙された、と思うでしょう。その時が大変ですが、イヤなことは考えない。それはそうなったときに何とかすれば、というのが上層部の姿勢です」

 前出の官僚は言う。「自分たちは正しいことをしている。だが大衆は目先のことしか考えない。本当のことを伝えると賛成を得られない。大事なことは知らせず、我々の責任で遂行するしかない――」。

 
 このコンセンサス自体に異論はありません。いや、ちょっとあるな。「増税をして」じゃなくて、「税収を増やして」だ。何が違う?税収を増やすのなら、増税だけじゃ無くて経済成長による増収も含まれる。財務省は、「税収増」=「増税」としているから悪質だ。

 さて、疑問なのがどうしてこのコンセンサスを正直に言わないかだ。相変わらず「由らしむべし、知らしむべからず」か。ずいぶん馬鹿にされたもんだ。

 このコンセンサスはどこまで共有されているんだろう?可能性は2つある。

  1. 政治家にはこのコンセンサスは説明ずみで了承ずみ。ただし選挙に勝てないから政治家が伏せている
  2. 政治家に説明しても無駄だから、財務省(官僚)のみのコンセンサス

 1番目なら、政治家に説明責任がある。2番目なら官僚の説明責任放棄。どっちだろうね。