高齢者に現物給付!?
今日の山陽新聞12面に、「社会保障と税 新旧ブレーンに聞く」という記事が載っています。これは、現政権のブレーンである小野善康教授と小泉政権時代のブレーン(のひとり)である竹中平蔵教授に、政府が進めている「社会保障と税の一体改革」について聞いているインタビュー記事です。まずは小野善康教授から。
―社会保障と税の一体改革で、議論のあるべき姿をどう考えるか。
社会保障の議論ではいつも、現役世代がいくら負担し高齢者がいくらもらうか、というお金感情の話しか出てこない。しかし、本来は高齢者にどのような生活水準を保証し、現役世代の生活はどうなるか、という根本の理念を議論することが重要だ。
―財源不足が問題になっているが
お金のやりくりのことしか考えないと、いまの財政状況では現役世代の負担を増やして高齢者に我慢してもらうしかない。退職年齢を引き上げて高齢者にもっと働いてもらう、と言う話にもなる。(中略)高齢者に職場を奪われる現役世代はさらに就職難になるから、消費が減り、財源問題も深刻化してしまう。
―どうすべきか。
たとえば年金については生活維持に必要な最低額は保証するが、それ以上はできるだけ現物支給に置き換えていけばいい。(以下略)
工エエェェ(´д`)ェェエエ工 現物支給??? 記事を読むとクーポンを想定しているようですが、もうちょっとインタビューの引用を続けます。
―現金を給付するのと何が違うのか。
高齢者に渡すお金を充実させてもため込まれてしまい、現役世代の所得にはなかなか回らない。それなら、現物給付をてこに高齢者の消費を増やせば、その分はすべて現役世代の所得になる。雇用も拡大してデフレも雇用不安も収まるから、経済全体の消費意欲が高まって景気が好転し、税収も増える。(以下略)
ロジックが理解できるような理解できないような……。現物給付したら消費が増えるのかなぁ。
さて、お次は竹中平蔵教授
―政府が検討を進めている社会保障と税の一体改革の評価は。
社会保障と税という考え方自体が間違っている。重要なのは『経済と財政の一体改革』だ。歳出増を放任し、経済をよくする努力をしないで、消費税だけ上げてもうまくいくはずがない。
―どうすべきか。
低成長とデフレを放置していてはいくら増税しても税収は減る。デフレ克服には規制緩和や一時的な財政支出の拡大、日銀によるインフレ目標の設定が必要だ。
(中略)
変な形で消費税を上げたときが日本経済にとって一番危ない。増税しても問題が解決しないと国民にも市場にも分かり、日本経済の期待値が一気に下がるからだ。―消費税の税率は。
引き上げは必要だが、税率は10%を超えない筋書を立てることが政府に求められる。2年間で経済を名目4%の成長に載せた上で、まず2.5%程度引き上げて、その2,3年後にまた2.5%手げればいい。―使い道は。
年金、医療ではなく、貧しい人にもちゃんと教育を受けさせたり、子育てを支援するための社会保障の充実は必要。そのために5%程度は上げた方がいい。財政赤字の穴埋めや高齢化に伴う社会保障費の増加は、経済をよくすることと歳出抑制で対応すべきだ。
(以下略)