くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

東大首席卒業の人でもこの程度の認識か

本屋で月刊ビジネスアスキーを立ち読みしていたら、トンデモ発言を見つけてしまったので、思わず買ってしまいました。その部分は、最初の方に載っている「これでわかった!経済学」という対談です。この対談では、慶應義塾大学ビジネススクール准教授 小幡績さんを先生役、タレントの福田萌さんが生徒役として、経済学を学んでいくといった形式で進んでいくのですが、後半部分のある発言にがっくり来てしまいました。それは、次の部分

福田 (前略)ただ、私たちの世代は、一度も景気がよかった時代を知らなくて、バブルって、実感としてあまりピンとこないんですよね。

福田萌さん(1985年生まれ)の発言に対する、小幡先生の答えにびっくり

小幡 バブルを知らないというのは、逆に一度も甘やかされたことがない、逆境に耐えられるということ。それは、実はとても素晴らしいことなんだ。みんな経済成長が当たり前のように言っているけど、右肩上がりを前提というのはおかしいと'90年のバブル崩壊で学んだはずなんだ。右肩上がりが当たり前だったのは、たかだかこの60年、第二次世界大戦後です。もっと大きくとらえると、16世紀以降の近代世界においては、この500年間は、世界経済は成長してきたけど、それ以前の5世紀末から14世紀までは「暗黒の中世」と言われて、ヨーロッパでは1000年も経済は停滞しているのが当然だった。今回の経済危機は、この500年の右上がり経済の終焉を意味しているかもしれない、というのが一番の問題なんです。

 頭がクラクラしてしまった。いや、この手の発言は、さんざんどこかで見たり、聞いたりした論説ですが、まだ言う人がいるんだなあと。ちなみに小幡先生の経歴を紹介すると、1967年生まれ、92年に東大経済学部を主席卒業後、大蔵省(現財務省)入省。その後大蔵省を退職してハーバード大学で経済学博士を取得した人物らしいです。……経歴見る限りちょうどバブル時代に学生時代を送っているんですね。学生の時にバブル時代を謳歌した人にこんなこと言われたくないなあ(笑)。まあ、本人は、バブル時代に浮かれている周囲の人に目もくれず勉強したかもしれませんけどね*1。でもなあ、心情的にバブル時代を謳歌した人にこういうことを言われるのは、非常に腹が立つ(笑)。あと、次の発言も驚いた。

小幡 これまでの経済学は根本的に誤っていたのではないかと、いま世界中の経済学者で議論されています。これまで50年間、教えられてきた経済学は全部、間違っていたかもしれない、と。

 なんと、いま経済学の先端では、そういうことが議論されているのか!Σ(゚д゚ )私が巡回している経済関係のblogでは、見たことない議論だけど、まあ全部が全部webやblogに載っているわけではないしね。勉強になりました(皮肉)。

*1:単純な疑問として、東大生もバブルに浮かれていたんだろうか?