くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

輸入小麦の値段がまた上がるらしい

輸入小麦価格20%アップへ、昨年4月以来4回連続値上げ(ヤフーニュース)

農林水産省は10日、政府が製粉会社に売り渡す輸入小麦の価格を、10月から20%程度引き上げる方向で検討に入った。8月下旬に発表する。

 2007年4月、10月、08年4月に続き4回連続の値上げとなり、パンやめん類など小麦製品の店頭価格へも影響を与えそうだ。

 日本は小麦の約9割を海外に依存しており、輸入小麦のほぼ全量を政府が輸入して製粉会社に売り渡す仕組みだ。10月からの売り渡し価格は、07年12月〜08年7月の輸入価格を反映させることになっている。

 小麦の国際価格が昨年末から今春にかけてピークを付けたため、政府の輸入価格は従来より20〜25%上昇している。

 輸入小麦は、いったん日本政府が買い入れて、それを国内の製粉業者に引き渡す仕組みになっています*1。引き渡し価格は次の式で算出されます*2

引き渡し価格=買い付け価格+港湾諸費用+マークアップ

 買い付け価格は、価格改定前3ヶ月前までの8ヶ月間の加重平均で求められます。マークアップは国内の小麦農家へまわす補助金となります(大体引き渡し価格の30%ぐらいがマークアップ分)。

 10月からの引き渡し価格が値上がりするのは記事にあるとおり、参考にする買い付け価格がちょうど小麦価格のピークにあたったためです。私たちが安くなった輸入小麦にありつけるのはまだまだ先の話になりそうですね*3

 しかしこの制度、相場が上がり調子の時はいいけど、下がり相場になったとき、市場価格と比較して割高な価格になってしまうのが問題だよなぁ。一番いいのはこんな制度取っ払って自由に取引してもらうことなんだけど。


↑小麦の国際価格の推移グラフ

↑輸入小麦の引き渡し制度の説明
 

*1:別に政府を通さなくても小麦を輸入できるけどその場合252%の関税がかかる

*2:参考:輸入麦の売渡制度について(農林水産省)http://www.maff.go.jp/j/soushoku/boueki/mugi_zyukyuu/pdf/sankou.pdf

*3:次の価格改定は来年の4月orz