くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

物価上昇分以上に上げたほうがいいのでは

最低賃金 16円引き上げを目安と答申(NHKニュース)

今年度の最低賃金の引き上げについて話し合う厚生労働省の審議会は、全国平均の時給で16円引き上げ、780円とする目安を示し、厚生労働省に答申しました。
引き上げの目安が10円を超えるのは2年連続で、16円の引き上げは去年の引き上げの実績を1円上回る水準です。

最低賃金は労働者の生活を守るため企業が最低限支払わなければならない賃金で、毎年、労使が参加する厚生労働省の審議会が示す引き上げ額の目安を基に都道府県ごとに決められます。
現在の全国平均の時給は764円で、今年度は経営者団体側が去年に続き大幅な引き上げを認めるかが焦点になっていました。審議会では28日からの15時間に及ぶ議論でもまとまらず、29日午後、議論を再開し、午後8時すぎ、全国平均の時給で16円引き上げ、780円とする目安を示し、厚生労働省に答申しました。引き上げの目安が10円を超えるのは2年連続で、16円の引き上げは去年の引き上げの実績を1円上回る水準です。
地域別では、大都市部の東京や大阪などAランクで19円、埼玉や京都などのBランクで15円、福岡や宮城などのCランクで14円、Dランクで13円としています。今後は、29日に示された目安を基にことしの秋をめどに都道府県ごとの最低賃金が決められることになっています。目安どおりに引き上げられた場合、最低賃金で働いた1か月の収入が生活保護の受給額を下回るいわゆる「逆転現象」が起きている北海道や広島など5つの県などすべてで逆転が解消されることになります。

最低賃金引き上げの背景
最低賃金を巡っては、1か月の収入が生活保護の受給額を下回るいわゆる「逆転現象」が働く意欲をそぎかねないとして引き上げを求める声が強まっていました。7年前、生活保護の水準に配慮して最低賃金を決めるよう法律が改正され、比較的、高い水準で引き上げが行われるようになりました。しかし、その後も多くの都道府県で逆転現象が続き、去年、全国平均の時給で15円という大幅な引き上げが行われたあとも生活保護の住宅手当などが増額されたため北海道や広島など5つの県などで逆転現象が起き、解消が課題となっていました。また、政府の成長戦略でも「最低賃金の引き上げに努める」という方針が盛り込まれ、田村厚生労働大臣が雇用情勢が改善しているとして、去年に続き大幅な引き上げとなることに期待感を示していました。

経営者側「粛々と進めていくだけ」
経営者団体側の委員で日通総合研究所の横山敬一郎顧問は「決まったことは決まったこととして粛々と進めていくだけだ。引き上げ額の数字の受け止めについては今は何もコメントしない」と述べました。

労働者側「“逆転”なくなることは評価」
労働者側の委員の連合の須田孝総合労働局長は「今回、どのランクについても大幅な引き上げ額の目安が示されたことや、生活保護と逆転する都道府県がなくなる見通しになったことについては評価したい。しかし、まだまだ最低賃金の水準は低く、最低賃金で生活できない人をどのようにしていくのかという議論を深められなかったことについて不満が残る」と述べました。

 NHKニュースは掲載期間が短いのでこちらにφ(..)メモメモ

 
 上昇幅は16円。伸び率に直すと約2%のアップです。しかし、いまの物価上昇率はコアCPIで3.3%(消費税の影響込み)。政府と日銀は「消費税の影響を除いて2%の物価目標」を宣言していますから、消費税の影響込みでみると4%ほどの物価上昇を目指しているとみなせます*1

 ということは、2%ほどのアップでは実質でみると目減りしてしまうんですよね。ここは4%ほどのアップを目指して欲しかったなあ。

 4%といっても、金額に直すと約30円の賃上げです。だから764+30=794円。キリが悪いからキリよく最低賃金800円にすれば良かったんじゃないかな。最低賃金の大幅上昇は支持率が低下し始めた安倍内閣にとって政治的なアピールとしての効果も大きいだろうしね。

*1:このあたりはややこしいよなあ。いっそのこと消費税の影響込みで4%を目指すって宣言し直してくれないかしら。