くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

現実には世界中の中央銀行が金融緩和を行っているのはどう説明するのだろう?

勉強不足の人ほど高飛車に日銀を非難する傾向について(はてなアノニマスダイアリー)

ダイアリー中で提示されているエントリーを読んでみた。

More on tax increases versus spending cuts in an austerity programme(mainly macro)

  ようするに、流動性の罠で実質金利が高止まりしているので、消費税を引き上げて擬似的インフレにして実質金利を下げようという案か。リフレ派古参兵の皆様はご存じの「山形浩生案」の一種と見なしていいでしょう。

 まあ、増田氏が述べているように金融政策も万能じゃないんだろう。……というか、白川総裁を含むこういう人たちは「金融政策万能論」を批判するけど、そもそも「金融政策万能論」を唱えている人たちっているのかなぁ。だいたい不況なら財政政策と金融政策のポリシーミックスでいけという人がほとんどだとおもうけど。

 こういうエントリーの問題点は、「日銀批判派憎し」で、金融政策そのものを無視していることでしょう。現実世界だと、いまでも景気が落ち込めば各中央銀行が金融緩和を行っている。増田氏のエントリーだけを見ると、いまの状況だと金融政策なんてほとんど効かないということになるんだけど、それじゃあなんで各国に中央銀行が金融緩和を行っているんだろう?

 日銀だって、トップページにでかでかと「日本銀行は、物価の安定と金融システムの安定を目的とする、日本の中央銀行です。」書いてある。リフレ派はね、日銀に対して「ちゃんと『物価の安定』を達成しろ」と言っているのよ。「物価の安定」というのが議論になるけど、世界の中央銀行を見てみると、だいたい2〜3%みたいだ。少なくともマイナスではない。

 もちろんインフレにする方法はいくつか考えら得る。たとえば、巨額の公共投資を短期間でやるとか(もちろん日銀が売りオペしない前提だけど)。増田氏はどうすればデフレ脱却できると思っているのだろう。