前のエントリーのコメント欄で薦められたので、さっそく買って読んでみました。
実用性はあまりない
春日先生の本は何冊か読んでいます。だいたいどの本も症例を通して、人間の不気味さ(グロテスクさ)を描き出すことを目的としており、読み物としては面白い(考えさせる)のですが、具体的な対処法を期待してしまうと、肩すかしを食らってしまいます。本書もそういった本でした。
本書も具体的な事例は豊富で興味深い内容なのですが、「今」躁病で悩んでいる人、もしくは周囲に躁病患者がいて対処法を求めている人には、まったく役に立ちません。だって、本書には具体的な対処法なんて載ってないんですもの。
躁に対する対処法を求めている人には向きませんが、躁という病気がどんなもので、躁病の人の心理状態がどういう状態かを知りたい人向きの本といえるでしょう。