くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

「神国日本のトンデモ決戦生活」(早川タダノリ著)を読みました

 一読して、「よくこんだけ集めたなあ。」と、感嘆してしまう。

 本書は、第2次大戦下で発行された雑誌の記事、広告をまとめ、いかに当時の国民が戦時体制に組み込まれていたかを描き出している本です。こう書くと、とても「お堅い」本だと思うかもしれませんが、著者の解説文が面白くて大笑いできます*1。もちろんこういう文体は好き嫌いが分かれると思いますが、解説文抜きで見ても面白い(興味深い)図版が多数収録されています*2

 面白い本なのですが、読みながらふと不思議に思うのです。こういった国が65年前に極東の島国に存在していて*3、そしてそこで私のおじいさんやおばあさん(どちらもずいぶん前に亡くなったけど)が生活をしていたということに。歴史としては知っているけど、昭和の最後の方に生まれた私から見れば現実感ないよね(こんなこと書くと怒られそう)。

 贅沢を言うならもうちょっと大きい判型で読みたかったなぁ。値段との兼ね合いがあるから難しいんだろうけど。

最後に著者のブログのURLを貼っておきます。ブログの文体を見て面白いと思ったらきっと気に入る本だと思います。

虚構の皇国blog(はてなダイアリー)

一応商品紹介も貼っておくか

神国日本のトンデモ決戦生活―広告チラシや雑誌は戦争にどれだけ奉仕したか

神国日本のトンデモ決戦生活―広告チラシや雑誌は戦争にどれだけ奉仕したか

*1:その後憂鬱な気分になりますがorz

*2:ちなみに私が今のところ好きなのが、東條英機首相(当時)の地方視察を伝える記事の見出し「首相 学童を奇襲」(注:漢字は新字体に直してあります)と、森永製菓の「キャラメルも戦っている!」の広告かな(「キャラメル」から連想されるイメージと「戦っている!」というコピーの勇ましさのギャップがね(笑)

*3:まだ100年も経ってないんだよな