くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

小麦の国際価格は下がっているのに10月の輸入小麦の引き渡し価格は上げるらしい

ソースは、テレビのニュースより。よってweb上でソースが見つかったらリンク貼ります。

へー、小麦の国際価格は一時期より値を下げているのにね。

出典 米国農務省穀物等需給報告(6月)*1

米国農務省穀物等受給報告(6月)より

2008年は、米国の2008年産冬小麦作付面積の増加が市場見込みを下回ったことや、高タンパ
ク小麦を中心とした需給の引き締まり等により値を上げ、2月27日に12.8ドル と史上最高値を /bu
更新した後、世界の生産量の大幅増加見込みの中、米国の冬小麦の収穫が始まったことから引
き続き値を下げ、現在8ドル/bu前後で推移。

 今年の小麦生産は大幅に増加すると見込んでいるのか。まぁ、ここまで価格が上昇すれば生産増やそうとする農家が増えるのも分かる。……というわけで、小麦価格はまだまだ下がるかもしれません。少なくともドカーンと上昇するとは考えにくい。

 では、なんで10月からの引き渡し価格が上がるかというと、引き渡し価格で参考にする価格が、昨年の10月から今年7月までの価格だから。上記のグラフを見るとおり、そのあたりは小麦価格が高値で推移していた時期です(特に昨年の10月から今年の3月半ばまで)。……このまま小麦の国際価格が下がったらどうするんだろう?

 私たちが安い小麦にありつけられるのはまだまだ先のようです(泣)*2


補足説明
日本の輸入小麦は、政府がいったん買い入れてそれを各国内の製粉業者に引き渡している((別に政府を通さなくても小麦は買えるけどその場合関税が250%ほどかかる(笑)))。引き渡し価格は、次の式で表されれる

引き渡し価格=国際価格+マークアップ+諸費用

マークアップって何?と思われるかもしれませんが、ようするに関税です。大体引き渡し価格の30%ぐらいがマークアップです。マークアップ分は国内の小麦農家の助成に使われます。諸費用は保管費用などね。


どう見ても今回の引き渡し価格の原因は日本の輸入制度に問題があるようにしか思えない。さて農林水産省はどうやって引き渡し価格の引き上げをみんなに説明するのかな(笑)。

*1:http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/jki/j_usda/pdf/usda_0806.pdf

*2:輸入小麦の引き渡し価格は4月と10月の年2回見直される。ということは小麦の国際価格が今後下がっても恩恵を受けるのは来年の4月からということになる