くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

運はコントロール可能か?(「うらおもて人生録」(色川武大))

 「脱貧困の経済学」の中に「『運』を『努力』にすり替える人たち」という箇所があります(P125〜)。そこでは、「人生って運の要素が大きいよね」といったようなことが語れているのですが、そこを読んでいて頭に浮かんだのが、「うらおもて人生録」(色川武大)です。

 「うらおもて人生録」は、落ちこぼれの人たちに向けて「雀聖」色川武大が書いた、いわゆる人生論本です。この本は、色川氏が自分の人生を振り返りながら、落ちこぼれが生きていく上で必要ないろいろなセオリーを語っています。その中でも、中心となっているテーマが、「運をいかにコントロールするか」です。

 色川氏は、まずこう宣言します、「ずっと勝ち続ける奴はいない」と。だから、まず技術(フォーム)を身につけて負け越さないようにする。だけど、技術を身につけただけでは、勝ち越せない(ある程度の技術はみんな身につけることができて、差がないから)。そこで、運という要素が必要になってくる。人の持っている運の量はそんなに違わない。よって、如何に運の無駄遣いを減らして、ここぞという場面で運を使えるかが重要(これが「9勝6敗を狙え」という主張につながっていく)。色川氏の主張をまとめるとこんなものでしょうか。

 もちろん、氏の主張していることが、正しいかどうかなんてわかりません。ただ、将棋や、アナログゲーム*1をしている私にとっては、かなり説得力がある論です。本当にいるんだよなあ、運の強い奴って(笑)*2。さて、私の人生を振り返ってみるとどうかな?やはり運の無駄遣いが多いのかもしれない。

*1:アナログゲームでは、行為の正否を判定するためにサイコロを使うことが多い

*2:もちろんこれは、錯覚でしょう(クラスター錯覚っていうんだっけ?)