くじらのねむる場所@はてなブログ

岡山県南西部在住。1983年生まれの40歳。経済、ミステリ、ウイスキー等について細々とブログに書いています

インフレ不安を煽るメディアの狙いは何だろう?

最近、いろいろな製品(主に食品関係)の値上げに関する報道を見かけます。しかし総務省から発表されている消費者物価指数(CPI)を見てみると、そこまで騒ぐことなのか疑問に思ってしまいます。

平成17年基準 消費者物価指数 全国  平成20年5月分(総務省統計局)

そこにある概況を引用

(1) 総合指数は平成17年を100として101.7となり,前月比は0.8%の上昇。前年同月比は1.3%の上昇となった。
(2) 生鮮食品を除く総合指数は101.6となり,前月比は0.8%の上昇。前年同月比は1.5%の上昇となった。
(3) 食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は99.4となり,前月比は0.1%の上昇。前年同月比は0.1%の下落となった。

 総合指数はたしかにプラスですが、食糧とエネルギーをのぞく総合指数は99.4といまだ100を下回っています。とてもじゃないけどインフレが進行してるとは言い難いなー。

 たしかに食料、エネルギーは私たちにとって身近なものでその値上がりは大変なことですが、私たちは、食料、エネルギーのみで生きているわけではないのも事実。

 結局何が言いたいかというとメディアは個別の事例ばかり挙げず、もうちっと全体の物価の状態も伝えてください。CPIぐらい報道しても問題ない(視聴者は理解してくれる)と思うけどね。CPIなんてNHKのニュースぐらいでしか報道されんし(しかも食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は触れないことが多い)。

 不安煽るだけならいいけど、これで物価上昇の対策として利上げしろ!!!という声が上がったらどうしよう。タイミング良く(?)ECBが利上げしたし。

欧州中銀の利上げ 影響に注目(NHKニュース)
NHKのニュースは保存期間が短いので全文引用。

ヨーロッパ中央銀行は3日、域内の物価上昇がユーロ導入以来最も高い水準で推移していることから、政策金利を0.25%引き上げることを決め、インフレの抑制により重点を置いた金融政策にかじを切りましたが、依然として景気の先行きが不透明ななかで、今回の金融引き締めがどう影響するのか注目されます。

ヨーロッパ中央銀行は3日開いた理事会で、域内の物価上昇がユーロ導入以来最も高い水準で推移していることを受け、政策金利を現在の年4%から、4.25%に引き上げることを決めました。記者会見したヨーロッパ中央銀行のトリシェ総裁は「中期的な物価の安定を図るのがわれわれ義務であり、ユーロ圏の市民が今、最も望んでいることだ」と述べました。原油の高騰などを背景に世界経済にインフレの懸念が広がるなか、これまで景気を下支えするために利下げを繰り返してきたアメリカの中央銀行にあたるFRB連邦準備制度理事会も先月、利下げを休止し、インフレを警戒する姿勢を示しています。こうしたなかでの今回のユーロ圏での利上げは、各国の中央銀行がインフレの抑制にかじを切ったことを象徴していますが、世界経済の先行きは依然不透明なだけに、金融引き締めが景気にどう影響するか注目されます。